長引く頑固な咳
咳嗽は日常臨床で遭遇する機会が多い症状です。順天堂大学総合診療科は、受診理由として発熱に次いで2番目が咳嗽であると報告しています。
また2011年11月18日〜27日にかけて総合医療メディア会社がインターネット利用者を対象として行った6,933人のアンケート調査では、長引く咳を経験した人が54.6%に上ったと報告しています。
このように咳は頻度が多くしばしば長引いて患者さんを困らせる症状といえます。
咳はその持続期間により3週までを急性咳嗽、3〜8週までを遷延性咳嗽、8週以上を慢性咳嗽に分類されます。急性であれば風邪が、遷延性であればマイコプラズマや百日咳を含んだ感染症やその後遺症による咳(=感染後咳嗽)が、慢性であれば咳喘息などのアレルギー性の咳が原因として多いといわれています。
参考に遷延性の原因疾患の割合を提示しました。
原因が多岐にわたっているため、幅広い対応が必要になります。
頑固な咳の原因を確定できる検査は正直乏しく、治療による反応をみながら診断に近づいていくといった診療が中心となります。
以前に当院で長引く咳の患者さんについて検討したことがありましたので
“
長引く咳について”にまとめておきました。ご参照ください。